<GT500>
チェッカー目前の大波乱、RAYBRIG NSX-GTが逆転勝利&年間王者に!
コロナ禍でシーズン開幕が7月となった今シーズンのSUPER GT。朝晩の寒さが感じられるようになった11月下旬、富士スピードウェイにおいてシーズン最終戦が開催された。
気温は低いものの、晴れ模様の中で進んだ予選。僅差のタイトル争いの行方はまず熾烈なポジション争いから始まる。だが、開幕戦以来となるノーウェイトの”ガチンコ勝負”ながら、ランキング上位陣には思いもしない明暗分かれる結果が待ち受けた。予選ポールポジションはランキング2位の#37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/山下 健太)が手にしたものの、トップランカーの#17 KEIHIN NSX-GT(塚越 広大/ベルトラン・バゲット)はまさかの12位。もう一台のフロントロウには#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山 雄一)がつけ、開幕戦同様、GR Supra勢が気を吐く結果となった。
レースは、予選6位の#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田 次生/ロニー・クインタレッリ)が怒涛の追い上げで早々にトップを奪取。だが、ポールの37号車が6周目にトップを奪うと群を抜く速さで快走、2位以下を離しにかかる。2位以下は絶えずポジションが入れ替わる攻防戦を展開。22周以降始まったルーティンワークでは逆転王者を狙う#14 WAKO’S 4CR GR Supra(大嶋 和也/坪井 翔)がタイヤ無交換という驚きの戦略に打って出た。だが、トップ37号車の独走は変わらず。2位に予選7位#100 RAYBRIG NSX-GT(山本 尚貴/牧野 任祐)が続き、3位は#36 au TOM’S GR Supra(関口 雄飛/サッシャ・フェネストラズ)、その背後に17号車が続いた。後半、トップ3台はひとり旅となっていたが、終盤に入るとトップ2台の差が急速に縮まってくる。37号車がペースをコントロールしていたかに思われたが、さにあらず。最終ラップ、最終コーナーひとつ手前のコーナーで完全に失速した37号車を100号車が抜き去り、トップでチェッカー! 今季初勝利を果たすとともに、逆転でドライバーおよびチームタイトルを獲得する結果となった。
<GT300>
埼玉トヨペットGB GR Supra GTが今季2勝目。王者はリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの手に!
GT300クラスも序盤から激しいポジション争いを展開。予選2位から逆転王者を狙う#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口 卓人/山内 英輝)がポールの#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田 広樹/川合 孝汰)をかわしトップに浮上。その後方でもタイトル絡みのポジション争いが繰り広げられた。一旦、61号車に先行を許した52号車だったが、すぐさまトップを奪還し、後続を引き離す速さを見せる。ルーティンのピットインが始まると、タイヤ無交換/交換の戦略によってポジションが前後するが、無交換の52号車はそのままトップを死守。同じ無交換の#65 LEON PYRAMID AMG(蒲生 尚弥/菅波 冬悟)がつけ、その後方には予選3位の#6 ADVICS muta MC86(阪口 良平/小高 一斗)、そしてランキングトップの#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波 清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が続いた。この時点でタイトル獲得には3位以上の結果が必要な56号車は、怒涛の追い上げでまず6号車を逆転。その勢いでペースの上がらない65号車にも接近、レース終盤ついに逆転を果たす。トップ52号車は開幕戦に続き、ポール・トゥ・フィニッシュを達成して2勝目を挙げたが、56号車が2位でフィニッシュしたため、タイトルは56号車の手に落ちることとなった。
(文:島村元子 写真提供 GTA)