第2戦は、ディフェンディングチャンプの野尻が貫禄の勝利!
4月10日、富士スピードウェイで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の決勝は、予選ポールポジションからスタートを切った#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が完勝。ディフェンディングチャンピオンらしいパフォーマンスを見せつけた。
前日に続き、予選&決勝を1日で実施する戦いは、より完成度の高いレースをしたドライバーが上位に食い込んだ。まず。予選でトップタイムをマークしたのは野尻。アタックラップで4輪脱輪となり、アタックをキャンセル。翌周改めてアタックに挑んだ。他車がアタックを終える中、野尻は最後の最後に最速ラップをマーク。鮮やかな逆転劇を決めてみせた。これに続いたのは#37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)。野尻に対して0.195秒差でフロントロウを手にした。3番手には、前日の第1戦でポールを手にしている#15 笹原右京(TEAM MUGEN)。今シーズンから2台体制となったTEAM MUGENがチームとしての総合力の高さを見せつけた予選でもあった。
前日よりも気温が上昇、眩しい日差しが照りつける好天気となる中、午後2時30分には第2戦の決勝がスタート。気温23度、路面温度32度のコンディションの下、41周の戦いが幕を開けた。ポールポジションスタートの野尻が無難にホールショットを決めて、これに宮田、予選5番手の#3 山下健太(KONDO RACING)が続く。一方、笹原は第1戦に続きまたしてもエンジンストール。最後尾からの追い上げを強いられた。また、後方では接触のハプニングで#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がダンロップコーナーでストップ。立ち往生したことからセーフティカーが導入された。5周目にリスタートを迎えると、5番手の#4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が目前の#7 小林可夢偉(KCMG)を猛プッシュ。しかし、突如ブレーキトラブルに見舞われ、アドバンコーナーでオーバーラン。さらにその後、左リアタイヤの一部にトラブルが出たため緊急ピットインとなり、大きくポジションを落とした。
レースはその後もあちこちで激しいポジション争いを展開。上位陣も野尻、宮田に続く3番手のポジション争いは、山下と#20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)によって攻防戦が繰り広げれた。予選は8番手に甘んじた平川だったが、ハイペースの走りで3位を奪取。逆に山下は上位陣の中でいち早く19周終わりでピットイン、その後はポジションキープに努めた。なお、平川は22周を終えて、2番手の宮田は24周終わりでピットへ。6.3秒という速さでコースに復帰を果たしたが、100Rでひと足先にタイヤを温めペースアップしていた平川の逆転を許してしまう。これに対し、25周を終えてピットに戻ったのが野尻。後続に対して十分にマージンを保ち、難なくコース復帰を果たした。
全車がピット作業を終えて、30周に野尻が再びトップへ君臨。平川、宮田の上位3台はこのあともほぼ同じ間隔で周回を重ね、揃って似通ったタイムを刻み続ける。各車譲らない走りを重ねる中、安定感ある走りを見せた野尻がトップでチェッカー。シーズン初優勝を遂げている。野尻の優勝は自身通算7回目となり、昨シーズン第5戦もてぎ以来の勝利に。また、2位平川に続いた宮田は、スーパーフォーミュラで自身初の表彰台を獲得する結果を残している。
両日に渡り接近戦が数多く見られた開幕イベントの富士大会。第3戦の舞台となる三重・鈴鹿サーキットでも白熱の戦いに期待したい。
第3戦は、4月23日(土)~24日(日)に、鈴鹿サーキットで開催される。
(文:島村元子 撮影:中村佳史)