スーパーフォーミュラ第6戦富士レポート＆フォトギャラリー

SF第6戦富士、L.ローソンが今季3勝目をマーク！

7月15、16日、静岡・富士スピードウェイにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦が行われ、レースは予選2位からスタートした#15 リアム・ローソン（TEAM MUGEN）が理想的なレース運びを見せて逆転勝利。今シーズン3勝目を挙げる活躍を見せた。

7大会、全9戦でシリーズチャンピオンを競う2023年のスーパーフォーミュラ。早くも残り4戦となるなか、およそ1ヶ月ぶりに戦いの舞台を富士スピードウェイに移すことになる。前回のSUGO戦後には、富士で2日間に渡る公式合同テストも行われており、今シーズン2度目の戦いを控えるなかで、クルマのセットアップなど大きく見直しを図るチームもあったと思われる。

予選日の土曜日、まず朝のフリー走行では#5 牧野任祐（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）がトップタイムをマーク。また、今回からジュリアーノ・アレジに代わってステアリングを握ることになった#36 笹原右京（VANTELIN TEAM TOM’S）、さらにはレースウィーク直前に鎖骨を骨折し、欠場を余儀なくされた大湯都史樹の代役として出走することになる#53 大津弘樹（TGM Grand Prix）の活躍にも期待が集まった。

予選日の富士は厚い雲に覆われ、どんよりとした天候。午後2時20分からの予選を迎えても朝のフリー走行とほぼ同じようなコンディションだった。気温25度、路面温度29度のなかでセッションがスタート。まず、Q1・A組では、ローソンがトップで通過。これに大津が続き、代役としての役目をしかと果たした。一方のB組には、現在のポイントランキングトップである＃37 宮田莉朋（Kuo VANTELIN TEAM TOM’S）やディフェンディングチャンピオンの＃1 野尻智紀（TEAM MUGEN）が出走。セッションでは、そのふたりを押さえてルーキーの#6 太田格之進（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）がトップタイムを叩き出し、牧野同様、チームとして好調さをアピールした。

ポールポジションを決定するQ2には12台が出走。7分間のセッションでアタックラップを迎えるなか、まずは宮田が1分22秒457の好タイムでトップに立つ。続く野尻は0.1秒及ばず2番手に。だが、そのあとチェッカーを受けたローソンが1分22秒242とタイムを大きく縮めて最速ラップを刻む。また、太田もローソンに次ぐ2番手につけ、このままポジションが確定するかに思われたが、終盤にチェッカーを受けた牧野が1分22秒063を叩き出し、トップを奪取した。これにより、牧野は自身のデビューイヤーとなる2019年の開幕戦以来、自身2回目のポールポジションを獲得することとなった。

夏休み目前の3連休での開催ということもあり、予選日から多くの観客が訪れた富士スピードウェイ。レースウィーク中には3万3200人が来場し、賑わいを見せることとなった。一方、天候は前日から薄曇りのコンディションとなり、決勝直前の気温は25度、路面温度は31度と前日に近い数値を示していた。

午後2時30分、41周に渡る戦いが幕を開け、ポールポジションから牧野が好スタートを決める。また、予選2番手のローソンもその背後からプレッシャーをかけるように周回を重ねた。一方、自身最高位となる3番手からスタートした太田は出遅れ、代わって予選6番手の#64 山本尚貴（TCS NAKAJIMA RACING）が3番手へとポジションアップに成功。これに僚友の#65 佐藤蓮が続いた。そんななか、前日の予選で今シーズン初のQ2敗退となり、予選20位スタートに甘んじた#20 平川亮（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）が好スタートを決め、早くも9周目には入賞圏内となる10位へと着実にジャンプアップする驚異の追い上げを披露する。

レースは10周を終えてルーティンのピットインが可能となり、まず6台がピットイン、さらに上位陣ではローソンが11周終わりでピットインを行った。すると牧野も12周終わりでピットへ。ローソンの前でコース復帰は果たしたものの、コカ・コーラコーナーで逆転を許すことになり、結果的にローソンがアンダーカットを成功させる形となった。

その後、牧野はローソンとの差を詰めるべく、周回を重ねるがなかなか勝負に持ち込むには至らない。またその後方では、3位の座を巡って佐藤、宮田が僅差の戦いを展開し、これに太田、野尻、山本が続いた。また、最後までピットインを引っ張った平川は、満を持す形で30周終わりにピットへ。8番手でコースに戻ると、ニュータイヤを武器に追い上げを開始した。その一方、宮田が佐藤を逆転して差を広げると、今度は佐藤と太田が僅差となり、さらに山本、野尻、そして平川がポジション争いに加わった。ペースに勝る平川は、野尻そして山本を仕留めると、その勢いで太田も逆転。残り2周の時点で佐藤と丁々発止となり、佐藤も力強く応戦するなど大いに場内を沸かせるバトルを見せた。結果、ファイナルラップの1コーナーでは再び佐藤がポジションを奪還するも、最終コーナーでは平川が渾身の逆転に成功。最後の最後に4位入賞をもぎ取ることとなった。

シーズン3勝目を挙げたローソンは、チャンピオン争いでもランキング暫定トップの宮田に対して1ポイント差まで詰め寄ることに。2位牧野は自身最高位の結果となったが、初優勝を狙ってポールポジションスタートを切っただけに悔しい結果になったと言える。

続く第8戦は8月19、20日にモビリティリゾートもてぎで開催。早くも大詰めを迎えるなか、チャンピオン争いがよりいっそうヒートアップする戦いになりそうだ。