スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿

SF第9戦、JAF GRAND PRIXの勝者は太田格之進、タイトルは宮田莉朋の手に！

10月29日、鈴鹿サーキットで2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦が開催され、予選2位からスタートダッシュを決めてトップを奪った#6 太田格之進（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）が見事なレース運びを披露、自身初勝利を挙げた。また、シリーズチャンピオンは3位でチェッカーを受けた＃37 宮田莉朋（VANTELIN TEAM TOM’S）が掴み取っている。

前日以上に秋晴れに恵まれた鈴鹿。最終戦は、「JAF GRAND PRIX」のタイトルが懸かった戦いでもある。午前8時50分という早い時間にスタートした予選は、気温17度、路面温度23度のコンディション下でセッションが進んだ。なお、前日の決勝でクラッシュを喫した#36 笹原右京（VANTELIN TEAM TOM’S）、#64 大津弘樹（TCS NAKAJIMA RACING）のふたりは残念ながら欠場となり、最終戦は全20名で争うことになる。

まずQ1･A組では、第8戦の勝者となった#1 野尻智紀（TEAM MUGEN）、同B組は前戦6位に甘んじた#15 リアム･ローソン（TEAM MUGEN）がトップで通過。いよいよポールポジションが決まるQ2では、7分間の中で様々なドラマが生まれた。アタックラップでセクタータイムを競っていた野尻がまずトップに立ったが、すぐさまローソンがこれを0.262秒上回る1分36秒442をマーク。一方で、まだアタック中の宮田はスプーンカーブで挙動を乱し、タイムロス。ローソン、野尻の後塵を拝した。そのなかで躍進を見せたのが、前戦で自身初表彰台を手にした#6 太田格之進（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）。ローソンと野尻の間に割って入り、2番手を掴み取った。

午後に入ると、さらに眩しい日差しが降り注ぎ、最終決戦に向けて最高の舞台が整う。午後2時30分、31周先のチェッカーを目指してシグナルレッドが消灯。ポールのローソンが背後にいる野尻を牽制したせいか、太田がクリアにスタートダッシュを見せて、1コーナーへのホールショットを決める。また、ローソンと野尻の動きを見た宮田がオーバーテイクシステムを味方に、アウト側から勝負に出て野尻をパス、3番手でオープニングラップを終えた。

逃げるトップ太田、追うローソンと宮田に対し、野尻はややペースが劣り、その差がじわりじわりと広がる。そのなかでレースはタイヤ交換が可能となる10周を過ぎ、チャンピオン争いの3台からはまず最初に宮田が、そしてその翌周にはローソンも続いた。すると、コース復帰を果たしたローソンに宮田が猛プッシュ。しかし、ローソンは冷えたタイヤで一歩も譲らず、宮田をシャットアウト。一方、トップをひた走る太田は、14周終わりでピットへ。ローソン、宮田よりも早いピット作業でコースに舞い戻ることに成功した。終盤は、速さで勝るローソンが太田との差を詰めてプレッシャーをかけるも、同じルーキーとして動じない太田の踏ん張りが結実。自身初優勝となるトップチェッカーを受けた。2位のローソンは、前戦の結果によって一旦は野尻にランキング2位の座を譲っていたが、今回の結果によって再びランキングも2位へと返り咲き。併せてルーキー･オブ･ザ･イヤーをも手にしている。そして、3位チェッカーの宮田が悲願のシリーズチャンピオンを獲得。シーズン中はポールポジションは獲れずとも、決勝での安定ある走り、そして第3戦鈴鹿と第5戦SUGOでの2勝を味方に、王座を手にすることとなった。一方、最後までタイトル争いの権利を残していた野尻は4位フィニッシュ。惜しくもシリーズ3連覇は逃したものの、ローソンとともにチームタイトル獲得に貢献している。

予選正式結果
 決勝正式結果