SUPER GT 第4戦 富士 レポート&フォトギャラリー

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シーズン初の350kmを制したのは、ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8!

<GT500>

8月3、4日、静岡・富士スピードウェイにおいて、SUPER GT第4戦「FUJI 350km RACE」が開催され、レースウィーク中は2日間で延べ5万2千人強のファンが来場した。シーズン初となる350kmレースでは、ポールポジションスタートのに# 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)が速さを武器に安定感ある走りを披露。ポール・トゥ・ウィンを達成。同時に今シーズンにデビューしたCIVIC TYPE R-GTの初優勝を果たすこととなった。

連日、灰色の雲が辺り一面に広がった富士スピードウェイ。どんよりとした天気で富士山の姿も見えずじまいだった。それでも気温は軽く30度を、路面温度に至っては50度を超えるタフなコンディションが続いた。

まず、予選日の公式練習でトップタイムをマークしたのは#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)。2ヶ月のインターバルでのテストや既存のデータをしっかりと活用し、”進化ぶり”をアピールした。午後2時30分にスタートした予選セッションは、気温33度、路面温度54度というコンディションでスタート。Q1では、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTが(山本尚貴/牧野任祐)がトップタイムをマーク。一方の64号車は2番手に留まり、3番手にはトップ2と同じCIVICの8号車が続いた。続くQ2では、8号車が躍進。合算タイムでライバルを凌ぎ、今シーズン初のポールポジションを獲得した。また、2番手には100号車、3番手に64号車が続き、未勝利のCIVIC勢がトップ3を独占。翌日の決勝に向けて理想の結果を手にすることとなった。

 

前日よりも厳しい日差しとなった決勝日。朝からぐんぐん気温が上がり、午後2時30分のスタート前には33度を記録。路面温度は56度まで上がった。

静岡県警の白バイとパトロールカーによるパレードランを経て、350km、77周の戦いがスタート。8号車がクリアスタートを切り、その後も安定したペースで周回を重ねていく。そんななか、開始から50分ほどの時点で、トラブルに見舞われたGT300車両がダンロップコーナーで停止。この影響でコース上にはFCY(フルコースイエロー)が導入された。FCYはわずか3分ほどで解除、トップを快走する8号車には何ら影響はなかったものの、後ろを走る100号車はこのFCY、さらに黄旗が提示されたタイミングが不利な方向へと働いてしまう。結果、トップとの差が10秒以上広がることになった。

その現状を打破しようと、100号車は32周の時点でルーティンのピットインを実施。逆に8号車は34周目にピットインを行なうと、なおも”裏1位”で周回を続け、全車がルーティンのピット作業を終えてなお、トップをひた走った。100号車は終盤に何度か8号車に迫る走りを見せたが、攻防戦に持ち込むまでには至らず。結果8号車が盤石の走りで待望のポール・トゥ・フィニッシュを達成。今シーズンデビューしたCIVICで最初の勝ち名乗りを上げている。2位の100号車は、開幕戦岡山以来となる表彰台。シリーズランキングでは2番手に浮上することになった。3位に続いたのは、予選4位スタートの#38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)。チームとして久々の表彰台を手にすることとなった。なお、大湯はチーム移籍後初の表彰台となる。

 

<GT300>

GT300クラスでは、序盤のFCYがレース展開に大きな影響を与えることとなった。まず、予選でクラストップに立ったのは、#65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)。開幕戦に次ぐ、シーズン2度目のクラスポールとなる。

 

レースでは、今大会から新車を投入した#87 METALIVE S Lamborghini GT3(松浦孝亮/坂口夏月)が予選クラス2番手から周回を重ねたが、ルーティン作業デポジション後、ポジションを下げてしまう。変わってポジションを上げたのが、予選3番手の# 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)。序盤はトップ2台を猛追。しかし、FCY導入のタイミングを味方にしてピットインした65号車が大量リードで逃げのレースになったことから、2位を目指して周回を重ねていく。ピット作業後、2番手に浮上した4号車だったが、後半に入ると、予選6番手から猛追を見せた#56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)との攻防戦に。ベテラン勢が絶妙の駆け引きでポジション争いを見せることとなり、終盤のレースでの大きな見どころとなった。

最終的には4号車が巧みなドライビングで56号車を”制圧”。今シーズン初の2位表彰台に上がっている。一方、56号車は第2戦富士に次ぐシーズン2度目の表彰台となった。なお、完勝を果たした65号車。大量ポイント獲得を果たすと、ポイントランキングでも2位に浮上。トップとわずか2点差でシーズン後半戦を迎えることになる。

 

続く第5戦の舞台は再び三重・鈴鹿サーキット。8月24、25日に開催される。今回同様の350kmレースとなるが、快晴のコンディションともなれば、富士以上の暑さが待ち受けるのは言うまでもない。

 

フォトギャラリー

 

(文:島村元子 撮影:中村佳史)