~ The Man of This Race ~ 立川祐路

~ The Man of This Race ~ 立川祐路

SUPER GT RND6 SUZUKA
立川祐路/No.38 ZENT CERUMO RC F

シリーズ最長の1000kmレースを迎えた鈴鹿。決勝は、突然降り出す雨、しかしそれは長続きせず、スリックタイヤでのマシンコントロールをいっそう難しいものにし、ドライバーのスキルの高さを問うものとなった。そんな中でも冷静なレース運びを見せていたのがNo.38 ZENT CERUMO RC Fの立川祐路だった。現在、SUPER GTにおいて21回にわたるポールポジションを獲得、通算最多を誇る。安定した速さ、勝負強さを武器に、終始不安定な天候だった決勝でも、着実にポジションアップを成功させ、また、ベテランドライバー同士のしびれるようなサイド・バイ・サイドの攻防戦を披露、レースファンを魅了した。レース終盤には、過酷なトップ争いを展開。抜きつ抜かれつのバトルに、一時は黄旗追い越しの検証がなされたが、際どい走りを“おとがめなし”というセーフの判定にする運の強さも見せた。これまでSUPER FORMULAのチャンピオン、石浦宏明とのコンビは2年目に入るも、未勝利で終わっていたのだが、今回の逆転勝利が今後の飛躍を後押ししそうだ。

(文:島村元子 撮影:鉄谷康博・中村佳史・北川正明)