全日本スーパーフォーミュラ選手権 RND5 岡山
小林可夢偉/No. 8 SUNOCO TEAM LEMANS
今シーズン、全日本スーパーフォーミュラ選手権と呼称が変わった日本国内最高峰のフォーミュラレース。2年前、そのカテゴリーへデビューを果たしたのが、小林可夢偉だ。デビューと言い方は、世界最高峰のF1でレギュラードライバーとしてキャリアを積んできたドライバーには相応しくないものだったが、今シーズンの彼は依然として厳しい戦いの中でもがき続けている。若くしてヨーロッパへと渡った可夢偉。日本国内のサーキットでの経験値は浅く、去年は“修練”のごとく、レースに挑んできた。そして迎えた今シーズン。F1時代からの多くのファンは、ポールポジション、そして優勝を首を長くして待ちわびているのだが、まだその道程には時として難題が待ち受けているようだ。今季2度目となる第5戦岡山では、土曜日のフリー走行でトップから僅差の2番手のタイムをマーク。その勢いをもって待望のポールポジション獲得に大きな期待がかかった。しかし、その後の計時予選では、アタックを前にコースアウト、赤旗中断を招く事態となる。自身は「まだ開幕していない」というこのカテゴリーにおいて、彼はいつ、どのような形で“可夢偉劇場”を開演してくれるのだろうか。
(文:島村元子 撮影:中村佳史・北川正明)